曼殊沙華(彼岸花)咲く
各地で曼殊沙華が咲き始めた。我が家でも白の曼殊沙華。彼岸花というけど、まさに彼岸の休日のころに咲く。今年は秋分が9月23日その三日前が秋彼岸ということだから、9月20日の今日はまさにどんぴしゃりの開花。植物のタイムラインというか体内時計というか、そうしたものはすごいものだ。
しかし、美しい花だけど、根は猛毒。古くからモグラや地ネズミよけとして田んぼの畔などに植えられてきた。しかし、実はこれは飢饉の時の非常食料として鎌倉時代に中国から導入されたものだ。江戸期には何度も大規模な飢饉が日本を襲い、住民は根を掘り出し、毒処理をしてその栄養豊かな澱粉を食べていた。なんと先の大戦の時も各地で食用にされた。
飽食の今、曼殊沙華にそうした思いを持つひとは皆無に等しい。長い80年の平和と経済成長の間に、日本人が持っていた最悪に備える知恵や覚悟が消滅していってしまったのだろう。
塩だってそうだ。私が教えを受けた農業経済学者の川野重任先生(もうなくなられてから15年になる・・)は常々、絶塩のリスクについて話された。戦時に山間部に疎開されていた先生は、自分の子供が塩不足で病死した苦い経験を常日頃から若い学者に説いていた。日本なんて、周りが海だらけで、どうして塩不足で病死するのかと今では思うが、戦時には輸送能力が極度に落ち、内陸部には塩が不足して体力が落ち病死する人も多かった。
今はスーパーでもコンビニでも塩を売っている。安い塩は石油精製時に脱塩プロセスから大量にでる。それでも本当に石油が止まり、輸送も落ち込めば、塩不足の地域は必ずでるのだろう。
日本が輸入の7割以上を依存する中東で大戦争が発生するような状況

では、塩の精製も輸送もままならない事態が来ないとは言い切れない。
庭に咲いた愛らしい曼殊沙華の花を見つめながらふと真剣な気持ちになった。




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